「うちのチームはショットガンだし、ドロップバックは特に練習しなくてもいいや」
と思ったあなた。ちょっと待って下さい!!
ドロップバックはQBの基本中の基本です。セットバックのドロップバックをマスターすることで、ショットガンのドロップバックも難なく行えるようになりますし、パスを投げるのが楽になります。
正しいドロップバックは、QBサックの可能性を減らし、パスの成功率を高めます。
ここまで聞いて、ドロップバックをおろそかにしていいと思うQBはいませんよね。
それでは解説します。
ドロップバックの5つの基本
正しい姿勢
何に置いても正しい姿勢は大切ですよね。ドロップバックも例外ではありません。
ここでいう正しい姿勢は、正しいセットアップ姿勢を指します。
センターからスナップを受け、1歩目を下げながら、セットアップ姿勢を作ります。
まず、素早くボールを右胸の前に持ってきます。と、同時に背筋を伸ばします。猫背でもいいですが、目線を高くするために、腰骨は真っ直ぐにしましょう。
セットアップについては、以前スローイングの基本について書いた記事があるので、気になる方は見てください。
大きく下がる
これは、ディフェンスのプレッシャーから物理的に遠くへ逃げるために必要な要素です。
これにより、スローイングする時の余裕に繋がり、コントロールが安定します。
3歩なら4yd、5歩なら7ydを基準に下がれるといいでしょう。
速く下がる
大きく下がるだけでは不十分です。速さが必要です。これもディフェンスのプレッシャーから逃れる術です。
5歩以上のドロップバックで速く下がることが苦手な場合は、サイドステップで下がるのではなく、腰から下をさがりたい方向へ向けて走るように下がるとスピードをつけることができます。
真っ直ぐ下がる
これもなるべくディフェンスのプレッシャーを感じないようにするためです。OLのパスプロは、センターを起点に弧を描くようにカップが作られるようになっています。QBが左右にずれて下がると、OLがイメージ通りにDLを抑えられてもQBにプレッシャーがかかってしまいます。この場合、QBは投げ込みにくくなりますし、ステップアップもしにくくなります。
目線はフィールド
センターとのエクスチェンジを気にして目線を落とすとカバーリードができません。必ず目線はフィールドへ!
ドロップバックのコツ
3歩ドロップバック
1歩目は大きく速く真っ直ぐ下がり、2歩目でブレーキ、3歩目で投げたい方向に投げる準備です。
リズムでいうと「トーン、ト、トン」です。
5つのコツで散々速くとか大きくと言ってきましたが、最終的な目的はパスを通すことですので、スローイングに繋がるドロップバックでなければ意味がありません。
そのため、最後の2歩は投げるために使いましょう。2歩目のブレーキは、重心よりも進行方向側に足を強く突き刺します。進んでいる自転車をブレーキではなく足で止めようとする時、体より前に足を出して地面に着きますよね。そのイメージです。
3歩目は、投げたい方向に足の内側を向けるように着きます。これにより、スムーズに安定したスローイングができます。
5歩ドロップバック
1、2、3歩目で大きく速く真っ直ぐ下がり、4歩目でブレーキ、5歩目で投げたい方向に投げる準備です。
リズムでいうと「トーン、トーン、トーン、ト、トン」です。
キングダムの羌瘣みたい。。。
1、2、3歩目は大きく速く真っ直ぐにですが、このイメージをつけるためのファンダメンタルトレーニングで、後ろ向いて、ジョグして自分のタイミングで、前向いて止まるような練習をして、慣れさせていくのもGOODです。
3歩のドロップバックに比べて、勢いがついている分、ブレーキの4歩目が超重要です。ここでしっかりスピードを殺さないと、後ろ重心になって、強いボールを投げることができなくなります。
パスのタイミングによっては、5歩目の後に前にステップを踏みます(ヒッチステップ)が、この時、筋力で進もうとすると遅くなります。5歩目をブレーキ足と同様に重心よりも進行方向側に出し、地面に突き刺します。その反発で前への推進力に変えましょう。
これは、スプリントトレーニングを行っていると、反発の重要性がわかります。
肩の角度
大きく速く下がろうとすると、右肩(下がりたい方向の肩)が下がる傾向があります。これをするとスローイングの時に後ろ重心になりやすいため、左肩を下げるように意識するとこれを防止できます。
最後の1歩の足の向き
よくあるエラーで、ドロップバックの名残りで、最後の1歩を外に開いて置いてしまうことがあります。これをすると、力がつま先側(下がっていた方向)へ逃げてしまい、うまく止まれないですし、スローイングの時にボールに体重が乗りません。つま先は、内側へ絞るように置きましょう。
ファンダメンタルは大事にしましょう。
では!